初心者向け!為替リスクとは?外国株投資を始める前に知っておきたい事
投資を始めるなら外国株式が良いって最近よく聞くけど、ホント?
正直言って、それは誰にも分らないんだよ。
そうなの?米国株がブームみたいになっているけど、、、
確かに過去のチャートとかを眺めてみると、米国株は右肩上がりで上昇しているから、今後も成長が見込めそうだよね。でも投資に絶対はないから。逆に絶対大丈夫ですよ。必ず儲けますよ。なんてキャッチフレーズには疑ってかかった方がいいかもね。
それでも外国株には魅力があるのよね?
そうだね。自分も米国株や世界の株式に分散投資しているからね。でもその際に知っておいてほしいのが為替リスクだよ。
為替リスク?
株式投資は長期&分散!
投資初心者のあなたが学ぶべき事は、あなたの資金を賭けて大儲けする事ではありません。
余裕資金を長期で、そして分散して投資する事で将来におけるリターンを最大化させる事が大切です。
その為のサポートをこれからもしていきたいと思っています。
では具体的な商品は何なのか。
それが、 iDeCoやNISAといった税金の優遇制度です。
まず投資をするのであれば、こういった制度をうまく利用していきましょう。
長期投資が目的なのに、iDeCoやNISAで運用していないのは非常にもったいないですよ。
この2つの制度がよくわからない。そういった方は、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
さて、 長期で分散投資をするにあたり、あなたが購入すべき商品は、個別株ではなく、投資信託やETFといった、株の詰め合わせパックです。
これらの商品は、小額から多くの企業に分散投資しているのと同じ効果が得られるので、初心者の方へは非常にオススメできます。
投資信託はこちらでもご紹介しているので、参考にしてみてくださいね。
投資信託の中でも最近では、米国株をはじめとした外国株式が人気です。
しかし初心者が何も知らずに手を出すのは危険です。
投資の前にはしっかりとリスクを知るところから始めましょう。
外国株式の場合、株価の変動リスクのほかに、 為替変動リスクが存在しています。
よく為替リスクなんて呼ばれます。
今回は為替リスクについて解説していきます。
この3分ほどの記事を読む事で、為替リスクと外国株投資への影響が分かるようになります。
ぜひ最後までチャックしてみてくださいね。
それでは、どうぞ!
為替リスクについて知ろう
為替リスクを語る前に、 為替レートをご紹介する必要があります。
為替レートとは、通貨ペア(例:ドルと円)の取引を行う時の、通貨間取引価格の事です。
- 1ドル = 100円
この場合は、1ドルと100円が同じ価値なので、交換ができる事を意味します。
為替レートは一定ではなく、国の情勢や、政治、経済、その他さまざまな要因により、刻一刻と変化しています。
2020年12月4日時点では、
- 1ドル = 約104円
この為替レートで取り引きされています。
為替変動リスクとは何?
日本の株式に投資した場合、日本の通貨で購入することになります。( 円建て決済)
1株1000円で100株購入
- 1000円 × 100株 = 10万円
では次に売却する時を確認してみましょう。
一定期間保有していて、株価が1100円に値上がりした為売却したら、
- 1100円 × 100株 = 11万円
このように 全ての取り引きを円で決済させる為、為替の変動は考えなくても良いです。
ではアメリカの株式に投資した場合、どうなるでしょう。( 外貨建て決済)
まず初めに アメリカの株式会社に投資する為には、日本円ではなく米ドルが必要となります。
そこで一度、日本円を米ドルに為替レートに則り交換する必要があります。
為替レート 1ドル=100円
- 10万円 ÷ 100円 = 1000ドル
この為替取引が終了した後に、アメリカ株をドル建て決済で購入します。
1株10ドルで100株購入
- 10ドル × 100 = 1000ドル
では次に売却する時を確認してみましょう。
一定期間保有していて、株価が11ドルに値上がりした為売却したら、
- 11ドル × 100 = 1100ドル
手元には1100ドルが残り、 100ドルの売却益(キャピタルゲイン)が発生したことになります。
しかし日本で暮らしている為、あなたはその1100ドルを日本円に戻さなくてはなりません。
その時の為替レートが1ドル=90円になっていたとしたらどうでしょうか。
- 1100ドル × 90円 = 99000円
米国株投資で100ドル儲けたとしても、為替レートにより、当初の資金(10万円)よりも資産が減った事になります。
これが為替リスクです。
このように 為替レートによって損失が出ることを為替差損と言います。
逆に円をドルに交換した時のレートから円安になれば、たとえ株価が変動しなかったとしても、利益が出ることも考えられます。
この場合は 為替差益が発生したと言います。
この 為替差損や為替差益が発生するのは、 外貨建てで取引を行う時のみです。
日本の債券や株に投資する場合は、円建て決算をする為、考慮する必要はありません。
しかし、外国の通貨を使用して(外貨建て)取り引きを行う時は、常に為替リスクが存在している事を知っておきましょう。
あなたも為替したことある?為替はそんなに難しい話じゃない
リスクと聞くとほとんどの人は怖い。こんなイメージがわくと思いますが、そこまで心配する事はありません。
というのも、あなた自身も為替の経験があるかもしれないからです。
それはどんな時かというと、 外国へ旅行に行ったときなどです。
海外へ出発する前に、必ず日本円を外国の通貨へ両替していると思います。
この場合も、その時々の為替レートで交換しています。
つまり 海外旅行へ行くときには、為替リスクをとっていると言えますよね。
為替リスクのある商品とは
為替リスクがある投資商品はいったいどういったものがあるでしょうか。
有名な投資先をいくつかご紹介します。
外貨預金
外貨預金は、外国の通貨で預金を行う事です。
日本は超低金利で銀行に預けていても、利息が0.001%しか発生しません。
(一部を除く)
外貨の場合は日本円よりも金利が高い場合が多く、金利分だけ資金を増やす事を狙って投資します。
外国債券
外国の債券へ投資をする事です。
こちらも日本の債券へ投資するよりも金利が大きい場合が多いです。
外国株式
外国の株式会社へ投資をする事です。
日本の経済と比較しても成長性が見込める場合があり、将来の株価の値上がりを期待して投資したり、高配当の企業へ投資したりします。
外貨建て投資信託商品
投資信託やETFでも、外国の指標に連動する投資信託商品の場合は、為替リスクが存在しています。
最近では米国株が人気で、S&P500に連動する投資信託商品や、全米の株に分散投資をする商品が多数取り扱われています。
これらも日本円で購入していたとしても、為替リスクが発生している場合があります。
ETFに関する記事はコチラ
FX(外国為替証拠金取引)
FXは外国為替証拠金取引と言われており、この為替変動を利用して利益を出す投資手法です。
よって為替リスクという表現はあてはまらないですが、紹介としてあげました。
FXの場合は証拠金取引なので、レバレッジを効かせる事で少額でも取引できるメリットはあります。
ただしギャンブル性の要素も多く、初心者へはあまりオススメできません。
その他にも外貨を両替する時にコスト(手数料)がかかる
外貨建ての投資商品を購入する際には、外貨を両替する際にコストが発生します。
他にも、外国と国内で2重に税金が発生する事もありますので、その点も把握する必要があります。
投資信託を購入時にでてくる為替ヘッジとは
為替リスクが存在する条件としては、外貨建てで投資を行っている事が前提です。
ただし 海外の投資信託の中でも「為替ヘッジあり」の商品を選ぶ事で、為替のリスクをヘッジ(回避)できる場合があります。
投資信託を購入する際には、必ず目論見書などでも記載があるのでチェックしてみましょう。
為替ヘッジなしとは
為替ヘッジなしの場合は、 為替リスクのヘッジ(回避)を行っていない事を意味しますので、為替リスクをとる必要があるという商品になります。
株価の変動だけではなく、為替レートの変動も加味する必要がありますが、為替差益を得られる可能性もあります。
為替ヘッジありとは
為替ヘッジありの場合は、 為替レートの変動を無視し指定のレートで為替取引ができるようにしている投資商品です。
日本円から外貨に交換する際に、 あらかじめそのレートで外貨から日本円に戻す権利を購入する事で、たとえ為替が変動し、円高に振れても、為替差損を回避する事ができます。
例)1ドル=100円の時にドルを調達(1000ドル分)
- 10万円 ÷ 100円 = 1000ドル
※この時に100円で売る権利を同時に購入しておく
為替レートが1ドル=90円に変化(円高ドル安)
1ドル=100円で売る事が可能
- 1000ドル × 100円 = 10万円
為替ヘッジができた
ただしリスクをヘッジする為に手数料が割高になったり、ヘッジした事で為替による利益を逃してしまう可能性もあります。
外国株式は買わない方がいいのか?
ここまでの話を整理するとこのような事が分かると思います。
-
円建て ・・・株式の価格変動リスクのみ
-
外貨建て・・・株式の株価変動リスク 為替変動リスク
外国株に投資する方はしっかりと押さえておくべきリスクだという事が分かっていただけるかと思います。
では外国株へは投資しない方が良いのでしょうか。
それは誰にも分かりません。
自分のリスここ数年間は為替の変動リスク以上に、株価の上昇があり、日本株の運用利回りよりも良かったという結果論でしか語る事ができません。
重要な事は、 自分のリスクに対する許容度をしっかりと見極めること。
そして本来の投資の目的をしっかりと押さえておく事が大切ですね。
為替のリスクを取らずとも十分に達成できそうなリターン目標でよければ、わざわざ外国株に投資する必要はないのです。
私の場合は、将来の運用利回りを大きくしたい為、米国をはじめとして、全世界の株式に分散投資をしています。
ただしここ最近よく言われているような米国株一強時代は終焉を向かえ、新興国へも資金が流入してくると考えています。
よって投資対象は、オールカントリーで考えるべきかと思います。
まとめ
いかがでしたか。
今回は、為替リスクについて解説をさせて頂きました。
-
外貨建てで購入した投資商品には為替リスクが発生する
-
円建てで購入した投資商品には為替リスクが発生しない
-
為替リスクをヘッジしたいなら「為替ヘッジあり」
投資を行う際は長期&分散が原則です。
そう考えると、日本だけに投資しているのもまた一つのリスクであるという事を認識し、グローバルな投資を検討してみてはいかがでしょうか。
短期、中期で見ると、損益が発生するかもしれません。
しかし、長期で保有する事で、ドルコスト平均法により平均取得単価が下がっていき、より多くの株を買い増す絶好のチャンスになります。
長いスパンで見て、資産を堅実に増やしていきましょう。
あなたの人生をより豊かに。
それでは、こーへいでした。